ずっと屋外にある太陽光パネルは、ホコリや花粉、黄砂など大気中のチリなどより、どうしても汚れがついてしまいます。
二和電設では、太陽光パネルの脱着工事でお預かりしたパネルは、すべて徹底洗浄しますが、再び設置された後は同じ理由で汚れが蓄積していきます。
親水性のある特殊な防汚コーティングを施すことで、セルフクリーニング効果(自浄作用)が働き、汚れの蓄積を予防することができます。また、コーティングで表面を磨くことで小さな傷なども修復できるため、発電効率の向上も期待できます。
カタツムリの殻の自浄作用からヒントを得たコーティング剤で、パネル表面に微細な凹凸被膜を生成することで親水化させ、セルフクリーニング効果を発揮させるものです。
カタツムリの殻は、表面が特殊な凹凸状になっています。この凹凸に大気中の水分が吸着し、外部からの汚れに対して接する面積を少なくしています。そのため、雨などで簡単に洗い流されて綺麗さを保つことができるのです。
このような自然界の自浄効果を人工的に再現したコーティング剤を太陽光パネルに塗布することで、汚れによる発電低下を防止します。
当社で試験的に行なった親水性の防汚コーティングをしていない太陽光パネル(画面左)と、コーティングを施した後の太陽光パネル(画面右)との比較写真です。
コーティングをしていないパネルは、ガラス部分に汚れが残留しており、水に濡れても、その箇所がまばらのためライトの反射が歪んでいます。コーティングをしたパネル表面は全体的にクリアな状態で、ライトの反射もくっきりと見えます。
FUTAWAのコーティング作業の流れをご説明いたします。
パネル脱着工事などでお預かりしたパネルはFUTAWAが責任を持って、丁寧に取り扱います。
まず、太陽光パネルの脱着工事などでお預かりしたパネルを丁寧に洗浄することが始まります(当社では、お預かりした太陽光パネルは、コーティングのオプション有無を問わず、すべて洗浄いたします)
親水防汚コーティング剤を専用のパットにつけて、太陽光パネルの表面を満遍なく磨きながら施工します。表面が親水状態になったら水洗いします。
コーティング処理された太陽光パネルは、汚れもしっかり落ち、磨き上げられたパネル表面は透過性も向上し、反射も均一になります。
試験項目 | 規格及び装置 | 目 的 | 結 果 |
---|---|---|---|
耐候性試験(スーパーUV試験) | SUV 1000h | コーティング処理面に紫外線を照射する事で皮膜の劣化状態を検証 | 20年以上紫外線劣化なし |
高温高湿試験 (加速ダンプヒート検証) |
85℃〜85% 85℃〜-4℃ |
温度、湿度の変化によってコーティング処理面に異常が無いか、 PVガラスに異常が無いか検証 |
1100時間異常なし 200サイクル異常なし |
塩水噴霧試験 | 5%濃度 | 塩水によってPVガラス、コーティング処理面に 異常が無いか検証(塩害地域イメージ) |
異常なし |
耐薬品試験(塩酸PH4) | 25℃-24h | 酸性雨によってコーティング処理面に異常が無いか検証 | 異常なし |
磨耗試験 | テーパー磨耗器 | コーティング処理面を擦る事で剥離の有無を検証 | 異常なし |
耐水性 | 50℃×72h 浸水 | 長時間の浸水にて被膜の耐水性を検証 | 異常なし |
シミュレーター試験 (JIS C 8912) |
IEC 60904-1 700〜1100W/㎡ 30min以内 |
コーティング処理後、PVパネルを屋外に放置し、 発電に影響がないか検証 |
発電効率の低下なし |
屋外曝露試験 | 210日/京都市 | コーティング処理後、PVパネルをシミュレーターで計測し、 大きな性能低下が見られないか検証 |
異常なし |
透過率 | HITACHI U-4100 300〜2000nm | PVガラスにコーティング処理後、透過率が落ちていないか検証 | 透過率の低下なし(※向上) |
株式会社宮崎化学 太陽光パネル防汚材 M-50CPより引用
※ 当社で使用している太陽光パネルの親水防汚コーティング剤は、株式会社宮崎化学 太陽光パネル専用 洗浄防汚剤 M-50CPを使用しています。